bowks 主宰・寺島洋平 個展開催のお知らせ
bowks は、照明デザインの可能性を探究し続けてきました。これまで「Fabject」というシリーズを通じて、個人表現に極めて近い製品を生み出す中で、次第にデザインとファインアートの違いについて考える機会が増えていきました。
自分の内にある想いと向き合った結果、"目的を持たない照明表現" を試みたいという衝動が生まれました。そして今回、「一初」というギャラリーとの出会いによって、その想いをかたちにする初の個展が実現します。この特別な空間で、新たな光の表現をお届けできることを心より嬉しく思います。
皆さまのご来場を心よりお待ちしております。
“BLACK SCALE”
会期 :2025年4月12日 (土) 〜 5月6日 (火) 12:00 - 17:00
定休日:水曜・木曜
会場 :一初(岡山県岡山市北区建部町中田171)
子どもの頃、暗闇というものに言いようのない恐れを抱いていた。
余黒の中で何かの視線が自分に向けられているような気さえする。
大人になるにつれ、心が生みだす怪物の存在は薄れてゆき、むしろ情緒のようなものを感じるようになった。
光は何かにさえぎられたりしながら弱まり、やがて深淵に溶け込んでいく。
闇は優美に光をつつみ込み、曖昧な輪郭を描き出している。
そんな抽象的な貌をぼんやりと眺めて自分の感情を重ねながら、有るはずもない意味を探してみたり、何かを問いかける。
夜は毎日あらゆる具象物を濾過し、要素だけの世界を見せてくれる。

bowks主宰 寺島 洋平
2015年に東京都現代美術館「ここはだれの場所?」展をはじめ、各地美術館で開催されたヨーガンレール氏の照明作品《 浜辺のゴミで作ったランプ 》の製作協力をした経験を持ち、多岐に渡る素材や媒体の照明製作に積極的に向き合っている。 製造者・修理者としての経験を積み、2022 年に デザイナーとして初のプロダクト《 VARY 》を発表。 部品のもつ役割や位置関係から見つめ直すことからはじめ、全体のフォルムと調整を重ねていくデザインの手法は、クラフトマンとしてのスタンスが現れている。 実験的なプロダクトシリ ーズの《 Fabjects 》や、作家やアーティストと協業するプロダクトシリーズ《 +bowks 》では、目に見える構造物だけではなく、そこから生まれる独自の光と影のデザインを探究している。
About IPPATSU《一初》
岡山県の建部町は、豊かな自然と歴史的な文化が融合するエリアです。周辺には美しい田園風景が広がり、静かな里山と旭川に囲まれたこの地に、「旧建部町油屋本家大村邸」は明治20年に建築されました。
その趣を生かしながら改修され、2023年にギャラリーショップと茶亭を併設するアートギャラリー「一初」として新たにオープン。歴史が織りなす静寂とアートが交差するこの空間は、訪れる人々に特別なひとときをもたらしてくれます。
建部町への道のりも含め、心穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?
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