アルバイト募集のお知らせ
この度、株式会社貌製作所のアルバイト募集をする運びとなりました。
このページでは、代表の寺島洋平より会社の理念について記載をしています。
私たちの工場は、東京・荒川区東日暮里にあります。日比谷線・三ノ輪駅から徒歩7分、下町情緒が残るこの場所で、私たちは照明のデザインから製作まで、すべてを一貫して行なっています。私がこの工場を立ち上げたのは、製造者として現場で感じてきた、ある思いからでした。
製作とデザインは、同列にマネジメントするべきだ
デザイナーと製作者。
本来、この二つは切り離せないはずなのに、多くの現場では分断されてしまっている。
その結果、美しいけれどつくれないデザインや、現場の苦労が理解されないまま進むプロジェクトが生まれてしまう。
私は、それにもどかしさを感じていました。
デザインと製作の重さは、同じだと思っています。
照明は他のプロダクトと違い、さまざまな機械的要素が関係しています。
デザイナーの描いた図面を単に再現するのではなく、常に内部構造と外観のバランスを調整していかなくては成立しません。
私たち製造者は、その伴走者として、デザインを読み解く力が必要なのです。
だから、この工場では全工程を一貫して行います。
デザインも、製作も、修理も華やかな部分だけでなく、ネガティブな要素にもきちんと向き合いながら。

工場の中には、一般的な組み立て工場とは違う、専門的な機械が並んでいます。
ここで私たちが手がけているのは、
- オリジナルプロダクトの開発・販売
- 古い照明のリペア(修理・再生)
- 海外ブランドの照明を日本の安全基準に合わせて組み替える作業
- さまざまなブランドとの照明プロダクト開発
小さな組織ですが、だからこそできることがあります。一つひとつの照明に、丁寧に向き合うこと。デザインと製作の両方を理解しながら、本当に良いものをつくること。
それが、貌製作所の照明づくりです。
この仕事で、私が大切にしていること
デザイナーから届いた図面や外観のイメージを見るとき、私は製造者として、まずこう考えます。
「これは、どうやってつくるべきか」
加工方法、組み上げの手順、内部の必要な箇所に工具がアクセスできるか。そのプロダクトを再現するためにクリアーしなくてはならない問題が、いくつも見えてきます。
この部分の判断が、最終的にデザインのクオリティを位置付けると言っても過言ではないと思っています。
どんなに美しいデザインでも、つくれなければ意味がない。逆に、製作者がデザインを深く理解し、最適な方法で形にできれば、デザイナーが描いた以上のものが生まれることもあります。
だから私は、図面を「読む」だけでなく、「読み解く」ことを大切にしています。
デザイナーが何を表現したいのか。
この素材を選んだ理由は何か。
この曲線は、どんな光を生み出すためのものか。
デザインの意図を理解したうえで、製作の道筋を組み立てる。
それが、デザインと製作を同列にマネジメントするということだと考えています。
小さな工場だからこそ、一つひとつのプロジェクトに、この姿勢で向き合えます。デザインを尊重しながら、製造者としての責任を果たす。
それが、私たちのものづくりです。
完成は、ゴールではない
製作というのは、とても責任の重いポジションにあると思います。
プロダクトを扱う人にとっては、完成がゴールかもしれません。しかし、私たち製造者の立場では、そうではありません。
照明は電気を流す以上、事故があってはならない。品質というと、見た目の美しさや仕上がりばかりが評価の対象になりがちです。でも本当は、トラブルがないこと、安全に長く使えること。それこそが、品質において一番重要なことではないでしょうか。
デザインを追求していくと、担保されるべき安全性との狭間で、判断が難しいことが多くあります。デザインを優先するあまり、ないがしろになってしまいがちな見えない価値。
完成して、お客様のもとへ届いた後も、「あの判断で本当に良かったのか?」とモヤモヤすることは、少なくありません。
その重責は、どうしても専門的な知識を持つ製造者が、孤独に抱えるものです。
華やかに見えるかもしれない照明づくりですが、その裏側には、こうした葛藤と責任があります。
それでも私たちは、この責任から逃げるわけにはいきません。デザインの美しさと、使う人の安全。その両方を守ることが、製造者としての使命だと思っています。
それでも、照明づくりは面白い
今まで幾つの照明を作ってきたか、わかりません。でも、どんなに作ってきても、慣れないことがあります。
自分たちの判断で構造物を作り上げ、初めて光を灯す瞬間。私は、いつも感動します。
そして工場を出て、必要な空間に収まった時。自分がイメージしていたものとは違う製品を見ているような気分になります。
照明は、空間の中で生きるものです。工場で見ていた姿とは、まったく違う表情を見せる。光の広がり方、素材の見え方、空間との関係。そのすべてが、設置されて初めて完成します。
だから、この仕事は面白い。
何度作っても、毎回が新しい発見です。図面を読み解き、製作の道筋を組み立て、形にして、光を灯す。その一連の流れの中に、いつも新しい驚きがあります。
重い責任を背負いながらも、この瞬間があるから、私は照明づくりを続けています。

これから貌製作所が目指すこと
日本では、技術者や製造者を基盤としたデザイナーが少ないように思います。
でも、貌製作所には特別な環境があります。製造だけでなく、さまざまな国や年代の照明を修理する。
その過程で得られる知識は、新しいものを作るだけでは決して手に入らないものです。
古い照明の構造、海外の設計思想、時代を超えた照明づくりの本質。この環境で、デザインと製造を横断するデザイナーを育成に繋がれたら幸いです。経験は問いません。
大切なのは、ものづくりへの興味と、学ぶ姿勢だけです。小さな組織だからこそ、デザインから製作、修理、納品まで、すべてに関わることができます。
照明づくりのすべてを、自分の手で体験できる場所です。私たちと一緒に、照明づくりの未来を作っていきませんか。

株式会社 貌製作所(ぼうせいさくじょ)/英語表記 bowks Ltd.
Instagram @bowks_ltd
アルバイト募集(社員途用有り)
【仕事内容】
・製品の製造作業
・簡単なデザインや図面作成(CADソフトが使える方は尚優遇)
※作業があるので汚れても良い服装が好ましいです。
【勤務条件】
・土日祝日を除く、週2日の勤務(曜日は相談)
【時給】
1h/¥1,200〜
【勤務時間】
9:00-18:00 昼1時間を除き8時間とし、曜日は両者の都合で相談して決めたいと思います。
残業は基本的にはありませんが、必要に応じてご相談させて頂きます。
【勤務地】
東京都荒川区東日暮里2-8-9江川ビル1F
【応募方法】
<応募メールをする>を押すとメールフォームが開きます。そちらに履歴書(顔写真入り)を添付の上、本文には自由記述ですので、伝えたいことがあれば記述してください。
